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札幌農学同窓会 秋の講演会(10/25)のご案内

札幌農学同窓会・東京支部では、北大獣医学部同窓会・関東支部と共催で下記のとおり、秋の講演会を開催いたします。

今回は、国立国際医療研究センター・国際ウイルス感染症研究センター長の河岡義裕先生(1978年北海道大学獣医学部卒業・1980年同大学院修士課程修了)をお招きして、私たちの健康に大きな影響を及ぼしているエマージングウイルス(インフルエンザウイルス、エボラウイルス、新型コロナウイルスなど)について、基礎研究や抗ウイルス剤・ワクチンの開発の取組などについてご紹介いただきます。

開催は会場とオンラインのハイブリッド開催とし、会場では講演会の後に、両同窓会会員相互の交流を深めていただけますよう、懇親会を開催いたします。

多くの会員の皆様のご参加をお待ちしておりますので、10月17日(木)までに、このページから参加登録をしていただきますようお願いいたします。


日時: 2024年10月25日(金)
講演会:18:30〜19:30  懇親会:19:40〜21:00
会場: 学士会館2F 202号室(東京都千代田区神田錦町3-28、TEL/03-3292-5936)
オンライン参加の方:会員各位のご自宅等
演題: 『未来を守るためのエマージングウイルス研究』
講師: 河岡義裕先生
国立国際医療研究センター 国際ウイルス感染症研究センター長
東京大学国際高等研究所新世代感染症センター 機構長
東京大学医科学研究所 特任教授
ウイスコンシン大学獣医学部 教授
主催: (一社)札幌農学同窓会・東京支部、北大獣医学部同窓会・関東支部
会費: オンライン:無料
現地参加:6,000円(懇親会費)

講演の内容

ヒト以外の生物や限られたヒトの集団で維持されていたウイルスが多くのヒトに感染することにより顕在化したウイルスをエマージングウイルスと呼びます。私たちの研究室では、エマージングウイルスであるインフルエンザウイルス、エボラウイルス、そして新型コロナウイルスの研究を行っています。

インフルエンザウイルスは毎年冬に流行し、乳幼児や高齢者において死亡の原因となるとともに、数十年に一度、新たなウイルスが出現し世界的な大流行(パンデミック)を引き起こします。私たちは、インフルエンザウイルスを人工合成する遺伝子操作系(リバース・ジェネティクス)を開発しました。この技術は、高病原性H5N1ワクチンの作製に使われています。この技術を用いてパンデミックウイルス出現のメカニズムについて研究を行っています。インフルエンザのコントロールにはワクチンと抗インフルエンザ薬が用いられます。しかし、ワクチンの有効性には限界があり、インフルエンザ薬も効果は高いものの、耐性ウイルスの出現が懸念されます。そこで私たちは、新規抗インフルエンザ薬ならびにワクチンの開発を目指して研究を行っています。

2013年の暮れに西アフリカにおいてエボラウイルスの流行が始まり、3万人に及ぶ感染が報告されています。私たちの研究グループでは、これまでエボラウイルスの基礎研究ならびにワクチンの開発を行っており、シエラレオネで研究活動も続けています。

新型コロナウイルスは、2019年末に中国で初めて確認され、その後、全世界に広がりました。パンデミックの影響は、医療だけでなく、社会経済にも大きな影響を及ぼしました。

本講演では、私たちの研究グループで行っているこれらのエマージングウイルスの研究についてご紹介させていただきます。

講師のプロフィール

1955年 兵庫県神戸市生まれ
1974年 兵庫県立神戸高校 卒業
1978年 北海道大学獣医学部卒業 獣医師免許取得
1980年 同大学院修士課程修了
鳥取大学 農学部獣医微生物学講座助手
1983年 獣医学博士(北海道大学)取得
St. Jude Children's Research Hospital, Tennessee, Postdoctoral fellow
1996年 St. Jude Children's Research Hospital, Tennessee, Member (教授研究員)
1997年 ウイスコンシン大学 獣医学部教授
1999年 東京大学医科学研究所 細菌感染研究部教授
2000年 東京大学医科学研究所 感染・免疫部門 ウイルス感染分野教授
2005年 東京大学医科学研究所 感染症国際研究センター長
2021年 東京大学医科学研究所 ウイルス感染部門 特任教授
2021年 国立国際医療研究センター 国際ウイルス感染症研究センター長
2022年 東京大学国際高等研究所 新世代感染症センター機構長

【主な受賞歴】

1991年 日本獣医学会賞
2002年 野口英世記念医学賞
2006年  文部科学大臣表彰 科学技術賞(研究部門)
2006年 ロベルトコッホ賞
2007年 武田医学賞
2010年 日本農学賞・読売農学賞
2010年 高峰記念第一三共賞
2011年 内藤記念科学振興賞
2011年 紫綬褒章
2013年 米国科学アカデミー外国人会員
2015年 国連教育科学文化機関(ユネスコ) カルロス・フィンレイ賞
2016年 日本学士院賞
2016年 米国微生物学会会員

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